1: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/26(日) 23:02:19.92 ID:Wnuf5AtEO
前作

提督「球磨ー」球磨「クマー?」

当スレとの話の繋がりはありません
読んでなくても無問題デース



2: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/26(日) 23:03:47.53 ID:Wnuf5AtEO

伊58「ないよ! 全然大丈夫じゃないよ!」

提督「いやいやまだいけるって」

伊58「むーりー! いけませんー! 今の状況わかってる!?」

提督「いつものことじゃないかこれぐらい。これが仕事なんだからしょうがないさ」

伊58「ぐぬぬ……」

提督「少しぐらい無理したって問題ない。好きでやってることなんだ、そうだろう?」ニコ

伊58「……」

提督「ま、そもそも無理のうちに入らないんだけどな、この程度」アハハ

3: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/26(日) 23:04:57.92 ID:Wnuf5AtEO

伊58「いい加減……」

提督「ん?」


バンッ!!


伊58「いい加減に休んでくだち、提督っ!!!」

提督「えー」カキカキ

伊58「書類を処理するその手を止めろォ!!! でち!!」

4: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/26(日) 23:06:36.82 ID:Wnuf5AtEO

伊58「今何時だと思ってるの!?」プンプン

提督「マルマルマルマルぐらい?」ハンコポーン

伊58「マルサンマルマルぐらいっ!! ブラック鎮守府にも程があるよ!!!」

提督「だから58は先に休んでていいって言ってるのに」ヨミヨミ

伊58「提督より先に寝る秘書艦がどこにいるの!? ただでさえ普段仕事してないのに!!」

提督「いいじゃないか、俺が働いた分だけ君たちの仕事が減ると思えば。管理職はいくら残業したっていいんだよ」メモメモ

伊58「その齧った程度のニワカ労基法知識でドヤ顔するのやめて! 多分どっか間違ってるから!!」

伊58「だいたいその結果として減りすぎなんでち、ゴーヤたちのお仕事ー!」

5: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/26(日) 23:08:36.26 ID:Wnuf5AtEO


提督「仕事減らして文句言われるとは思わなかったなぁ」アハハ

伊58「ゴーヤだって一度ぐらいオリョール行ってみたいー!」

提督「えー。あれ結構キツいらしいよ?」

伊58「資源のためなら致し方ない犠牲だよ! コラテラル・ダメージというものにすぎないでち!」

提督「また変な映画見て」

伊58「暇なんだからしょうがないでしょっ? オリョクルーオリョクルーいーきーたーいー」ジタバタ

提督「資源足りてるし。資源足りるように方々に頭下げたり資源プラント増設したりするのが俺の仕事だし」

伊58「それホントに提督のお仕事かなぁ……?」

6: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/26(日) 23:09:32.22 ID:Wnuf5AtEO

提督「みんなの出撃、遠征は最低限。訓練も演習を中心に無理なく、効率よく」

提督「目指せオレンジランプゼロ点灯。それがこの鎮守府の経営理念だろう?」

伊58「ホワイトすぎて逆にブラック臭がするでち……」

提督「……わかってくれないかな、58。俺は君たちを、極力危険な目に遭わせたくないんだ」

提督「そのためならば、所詮は戦場に出ないこの身。いくら削ったとしても悔いはない」

伊58「……てーとく」

提督「……」

伊58「……」

7: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/26(日) 23:10:37.38 ID:Wnuf5AtEO

伊58「で、本音は?」

提督「仕事以外に趣味ありません」カキカキ

提督「彼女もいません」ヨミヨミ

提督「家帰っても寝るだけでやることありません」メモメモ

提督「結論。仕事してた方が楽しいです」ハンコポーン

伊58「ああああああああああああ!!!!」ダンダンダン

8: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/26(日) 23:12:07.24 ID:Wnuf5AtEO

伊58「というわけであのワーカーホリックをどうにかしたいでち」

伊19「……」

伊401「う、うーん……」

伊8「本人がいいって言ってるんだから、あのままでいいんじゃないかしら?」

伊58「いいワケないでしょー!」プンプン

伊168「でも提督って体調不良で休んだことないわよね?」

伊58「うっ」

伊401「自分の管理がちゃんとできてて、鎮守府のためにもなってるんでしょ?」

伊168「もちろん私たちだって無理はしてほしくないわよ?」

伊8「でも、現状無理になっていないみたいだし、ねぇ?」

9: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/26(日) 23:13:30.39 ID:Wnuf5AtEO

伊58「……みんなは、とり憑かれたみたいに仕事する提督を見たことないから、そんな風に言えるんだ」

伊58「ゴーヤは……ゴーヤは、提督にはちゃんとお休みとってほしいの」

伊58「ああいう人はきっと、自分が限界だってことにも気付かずに、どんどん突き抜けてっちゃう」

伊58「それを止めるのは秘書艦のゴーヤの役目だもん」

伊58「ゴーヤだけの、お仕事だもん!」

伊168「……」

伊8「……」

伊401「……」

10: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/26(日) 23:14:50.47 ID:Wnuf5AtEO

伊19「天晴れ、なのね!」ポン

伊58「えっ?」

伊168(やけに静かだと思ったら……)

伊19「イクはゴーヤの心意気に胸を打たれたのね!」

伊8(なにか考えこんでると思ったら……)

伊19「そんなゴーヤに、イクが一つ策を授けてあげるの!」フンス

伊58「さ、策!? なにか手があるんでちか!?」

伊19「ふっ、ふふ。ふふふのふ、なのね。任せておくのね」

伊401(嫌な予感しかしない)

12: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/26(日) 23:16:40.70 ID:Wnuf5AtEO

提督「ハイホー、ハイホー、しっごーとがすっきー♪」カキカキ


タタタタタ バタン!


伊58「提督! てーとくー!」

提督「やあ58、どうしたんだい。演習が終わったら上がっていいって言ったはずだけど」カキカキ

伊58「さっきお昼食べたばっかだよ!? いくらなんでも早すぎない!?」ガーン

13: ところがぎっちょん! ◆F.lQmLP.5M 2014/10/26(日) 23:19:05.29 ID:Wnuf5AtEO

提督「半ドンだよ、半ドン」カキカキ

伊58「土曜日でもないよ! っていうか死語だよ! 懐かしすぎるよ!」

提督「近年では一部自治体で復活しつつあるんだよ」カキカキ

伊58「鎮守府は学校でも会社でもないよ!?」

提督「軍人は公務員だよ。少なくとも米国では」カキカキ

伊58「喋ってる時ぐらい仕事をやめろォ!!! でち!!」

提督「む、確かに。いくらなんでもこれは失礼に当たるかな」トントン

14: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/26(日) 23:20:08.09 ID:Wnuf5AtEO

提督「で、なに?」

伊58「や、やっと本題に入れるよぅ……てーとくっ!!」グイッ

提督「う、うん。なんだい58」

伊58「……」

提督「……」

伊58「……」

提督「……?」

伊58「///」

提督「58さーん? もしもーし?」

15: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/26(日) 23:21:26.34 ID:Wnuf5AtEO

伊58「て、てーとくっ!!///」

提督「あ、うん。だからなに?」

伊58「ゴーヤと……」

提督「58と?」

伊58「ゴーヤを……」

提督「58を?」

伊58「……」スーハー

提督「……」

16: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/26(日) 23:22:22.91 ID:Wnuf5AtEO



「ゴーヤを提督の彼女にしてほしいでちっ!!!」




17: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/26(日) 23:24:03.02 ID:Wnuf5AtEO

提督「」

伊58「///」ゼーハー

提督「」

伊58(や、やった。言ってやったでちっ)グッ

提督「……あの、58さん」

伊58「!!! ななななにかなっ!?///」

提督「話が読めません」

伊58「だ、だだだだだからっ! 提督はお仕事以外にすることがないから、仕事ばっかりしてるんでしょ!?」

提督「確かにそう言ったけど……それとこれとはなんの関係も……」

18: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/26(日) 23:25:26.40 ID:Wnuf5AtEO

伊58「だーかーらー! ごっ、ゴーヤが、提督の『お仕事以外』になるの!///」

提督「え゛っ」

伊58「一緒にお家に帰ったり、一緒にご飯食べたり、一緒にお休みの日に遊びに行ったり!」

伊58「ね!? た、たた、楽しそうでしょ!?」

伊58「お仕事より、ご、ご、ゴーヤとっ、一緒にいる方が、楽しそうでしょっ!?///」

提督「ご、5858、それは彼女というよりは……」

伊58「でしょ!?///」グイッ

提督「あっはい」

19: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/26(日) 23:27:12.24 ID:Wnuf5AtEO

伊58「そっ、それで、どーするの、てーとく?///」モジモジ

提督「……」

提督「あのね、58。こういうことは、あまり軽々しく口に出すものでは」

伊58「///」ドキドキ

提督「……」

伊58「///」モジモジ

提督「……っ」プイ

伊58「……?」

20: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/26(日) 23:30:07.42 ID:Wnuf5AtEO

提督「あー、うん、はい。わかりました。俺なんかでよければ……えー、その、お受けします」ポリポリ

伊58「っ!」パァァァ

提督「……」ボー

伊58「えへ、えへへ……あれ、てーとく? どうかしたー?」ニヘラ

提督「あー、いやね。そうなると今までやってた大量の書類、どうしたものかなと思って」

提督「好きでやって積み増したものとはいえ、今となっては義務だからね」

提督「今さら放り出すわけにはいかないんだよ」

伊58「ゴーヤ以外にも暇すぎて不満だって艦娘はぼちぼちいるでち。その子たちに分けてあげればいいと思うな」

21: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/26(日) 23:32:57.59 ID:Wnuf5AtEO

提督「えっマジ? しまったなぁ、やっぱ減らせばいいってもんじゃなかったのか……」ズーン

伊58「だ、だいじょーぶだよ、落ち込まないで提督っ。お仕事少なくて喜んでる子の方が多かったよ!」

伊58「提督は、その、ゴーヤ個人としてはアレだったけど、全体としては間違ってなかったと思うでちっ!」

提督「……ありがとう、58。そう言ってもらえると嬉しいなぁ」ニコ

伊58「えへへー」ニヘラ

提督「……」

伊58「彼女、彼女、ゴーヤが彼女……んふふふふっ///」ニヨニヨ

提督(かわいいなぁ)ボー

22: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/26(日) 23:38:48.52 ID:Wnuf5AtEO

コソコソ


伊19「やったのね。」ドヤァ

伊401「うっわー、さくっとバカップル一丁上がりだねー」

伊168「ゴーヤも回りくどいこと言ってないで『好きです、心配です、無理してほしくないでち』で済むのにね」

伊8「はっちゃんまどろっこしいったらなかったわー」

伊401「シュトーレン食べるー?」

伊8「……今日のところは遠慮しておきます、です」

伊168「にしても、イクの思い付きにしては上手いこと収まったわねぇ」

伊19「……」

伊19(ふふ。『収まった』? 甘いのね、甘々なのね、ふっふっふ。イク心の一句なのね)キラーン

38: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/29(水) 22:53:54.97 ID:pxRZ0fs2O

提督「ん、終わった。フタヒトマルマルか、ずいぶん早く片付いたなー」トントン

伊58「ぜ、全然早くないでち……三分の二以上加賀たちマジメ勢に分けてあげたのに、なんでこんなに時間がかかるの……?」グッタリ

提督「楽しい時間は長く続いた方がいいじゃん?」

伊58「……まさか?」

提督「意図的にダラダラやって仕事長引かせてまーす」アハハ

伊58「この人頭おかしいよ」

39: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/29(水) 22:55:23.11 ID:pxRZ0fs2O

提督「まあさすがにそれは冗談だとして」

伊58「ほっ」

提督「2割は」

伊58「せめてそこは半分と言ってほしかった! 2割て! もうほぼほぼ冗談になってないよそれは!!」


ガチャ


加賀「失礼いたします……ふぅ」

提督「や、ご苦労さん」

伊58(あ、あの『てつめんぴ』加賀がお疲れモードでち……)

40: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/29(水) 22:57:21.30 ID:pxRZ0fs2O

加賀「提督、こちら処理を完了した書類になります」ドサッドサドサ

伊58「見てるだけで目まいがしてくる量だね……」

加賀「まったくだわ……」

提督「いやぁ夢のような光景だ」

伊58「悪夢だよ!!」

加賀「どうやったらここまで野放図に量を積み増せるのか、後学のためにお聞きしても?」

提督「大本営に『お仕事くださーい』って言ったらくれた。なんか地味で誰もやりたがらないヤツ」

加賀「端的な説明をありがとうございます」

伊58「この国の軍人にまともなのはいないんでちか」

41: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/29(水) 22:59:01.36 ID:WiX/2itRO

加賀「こちらの山は提督の決裁が必要なものです。急ぎのものはないので、明朝にでも処理していただければ……」

提督「よし今片付けちゃおう」ウキウキ

加賀「!?」

伊58「やめろオラァ!!! でち!! 明日でいいって言ってるんだから明日やろうよ!」

提督「今日できることは今日やる、明日できることも今日やる。それが俺のモットーだよ」

伊58「提督の場合明後日できることも来週できることも来月できることもまとめて今日やろうとするでしょ!?」

加賀「ダメだわこの人……早くなんとかしないと……」

42: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/29(水) 23:01:44.15 ID:pxRZ0fs2O

提督「わかったよ……帰ればいいんでしょ帰れば……はああああ」ズーン

伊58「ため息つきたいのはこっちだよ……はああああ」

加賀「では、私はこれで。失礼いたします」


ガチャ バタン


提督「はあ。それじゃあ俺も、帰ってもなんもない我が家に……はああああああ」ガタ

伊58「そうそうそれでいいんでち。じゃ、行こ?」ガタ

提督「? どっか行きたいの?」

伊58「どこって……だから、提督のお家、行こ?」

提督「えっ」

43: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/29(水) 23:02:36.65 ID:pxRZ0fs2O

伊58「あ、この場合は、行こうじゃなくて帰ろう、かな? えへへ」ニヘラ

提督「……なんでそんな話に」

伊58「一緒に帰ったり、ご飯食べたり、ってゴーヤこのあいだ言ったよ?」

提督「あー、と? 確かに、言ってたか。でもなんで、帰宅まで一緒にする必要があるんだい?」

伊58「……提督は、自分のお家に帰るのが嫌いなんでしょ? だから遅くまで鎮守府に残っちゃう」

提督「……まあ、そうだね」

44: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/29(水) 23:03:45.50 ID:pxRZ0fs2O

伊58「だったらゴーヤが、提督に『ドキドキワクワクの帰宅タイム』をプレゼントしてあげる!」ニコッ

提督「はあ」

伊58「そしたら提督も、お仕事終わらせるの嫌じゃなくなるでしょ? でしょっ?」

提督「……」

提督「かもなぁ」ニコ

伊58「やったー!」ピョン

提督「……」

伊58「あ! い、言っておくけどお泊まりはしないんだからね!///」

伊58「そーゆーのはまだ早いって、イムヤが言ってたんだからね!///」

提督「俺はなにも言ってないんだけどね」

45: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/29(水) 23:04:28.79 ID:pxRZ0fs2O

伊58「~♪」テクテク

提督「58が普通の服着てるとなんか新鮮だなぁ」スタスタ

伊58「さすがにあれじゃ風邪引いちゃうからねー」

提督「いや風邪引きうんぬん以前の問題でしょ」

伊58「……問題?」キョトン

提督「えっ」

伊58「えっ」

46: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/29(水) 23:05:10.98 ID:pxRZ0fs2O

提督「……もしかして58は、風邪を引く心配さえなかったら、あの格好で外に出るつもりだったのかな?」

伊58「そうだよ?」

提督「そうだよじゃないよ。ダメだよそんなの」

伊58「えっダメなの?」

提督「ダメなの」

伊58「なんで?」

提督「……なんでも。そうだ、今度服を買いに行こうか」

47: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/29(水) 23:06:25.52 ID:pxRZ0fs2O

伊58「ホントにっ!? てーとく、ゴーヤと一緒にお買い物行ってくれるの!?」キラキラ

提督「もちろん」ニコ

伊58「やたっ! 前にカタログで見たあの水着、一度試着してみたかったんだー!」ウキウキ

提督「服だから。水着は買わないから」

伊58「えー」

提督「えーじゃありません。いい機会だし、俺が何着か見繕って……」

提督「……」

提督「……」

48: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/29(水) 23:08:51.45 ID:pxRZ0fs2O

伊58「提督? どうかした?」

提督「いやね。よく考えたら俺ね」

伊58「俺ね?」

提督「女の子のファッションとか全然わかんないなぁ、と思って」

伊58「……は、はあ」

提督「いや待てよ。そもそも男女とか問わずに、ファッションがどうなんてまったくわかんないや」

伊58「……」

提督「いやいや待って待って。さらなる問題が発覚したぞ。服ってどこ行けば買えるん?」

伊58「ただの社会不適合者じゃねーか!!! でち!!」

50: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/29(水) 23:10:37.72 ID:pxRZ0fs2O

提督「まあ最後のは冗談だとして」

伊58「何割冗談なんでちかねぇ……」

提督「10割10割。でも実際問題、ファッションなんてさっぱりだよ」

伊58「……ゴーヤは別に気にしないけど」ボソ

提督「うーん。買い物、やめとこっか。少なくとも服に関しては」

伊58「……」

提督「正直58をがっかりさせる未来しか見えないし……」

伊58「えい」ペチ

提督「あいた」

51: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/29(水) 23:13:21.48 ID:pxRZ0fs2O

伊58「提督、手段と目的が入れ替わってるよ」

提督「えっ」

伊58「いーい? ゴーヤはね、提督の生活に潤いをあげるために彼女になったの」

伊58「作戦目標はあくまで、『提督が』楽しむことなんだよ?」

提督「だからって、そのためだけに58に無理強いするのは俺の本意じゃないよ」

伊58「はぁぁぁ。だいたいねー、前提からしておかしいんでち」

提督「……前提?」

伊58「……あのね、提督? ゴーヤはね、ゴーヤはね……」

52: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/29(水) 23:14:25.77 ID:pxRZ0fs2O



「てーとくが真剣に考えて選んでくれるなら、どんなものだって嬉しいんだよ?」




53: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/29(水) 23:15:39.82 ID:pxRZ0fs2O

提督「……」

伊58「……」

提督「どんなものでも?」

伊58「スク水ネコ耳ネコ尻尾だってお手のものでち!」ニコ

提督「どんなものでも、の割にはセレクトが妙に恣意的だなぁ」

伊58「あくまで一例だよっ。本番ではなに着せてくれてもいいからね……?///」モジモジ

提督「本番ってなにさ。紛らわしい言い方やめなさい」

55: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/29(水) 23:17:55.73 ID:pxRZ0fs2O

スタスタ テクテク


提督「……ゴーヤはさ」

伊58「なーに?」

提督「なんていうかさ、ストレートだよね。いろいろと」

伊58「……」

提督「油断してると今みたいに剛速球投げこんでくるし」

伊58「ゴーヤの直球はお利口さんでち」フンス

提督「完全に開き直ってるのかと思いきや、耳真っ赤なのは全然隠せてないし」

伊58「っ///」カァァァァ

56: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/29(水) 23:20:10.04 ID:pxRZ0fs2O

提督「俺の脳みその中に存在しないタイプの女の子に、58がここ数日で変身しちゃったからさ」

提督「今ちょっと戸惑ってるところだよ」

伊58「……」

提督「いやまあ、元からそういう子だったのに、俺の目が節穴だっただけなのかもわからんけど」

伊58「……提督は」

提督「なんだい」

伊58「提督は、今みたいなゴーヤ……みたいな女の子は、やだ?」

57: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/29(水) 23:21:57.80 ID:pxRZ0fs2O

提督「……」

伊58「……」

提督「……」

伊58「……」

提督「あー」

伊58「っ」ビク

提督「やじゃない」

伊58「!!」パァァァ

58: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/29(水) 23:22:55.69 ID:pxRZ0fs2O

提督「俺は……あー、うん。58が……58みたいな子は……」

伊58「こ、子は?」

提督「……」

伊58「……」

提督「……58みたいな子は、好きだな」

伊58「……」

提督「……」

59: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/29(水) 23:24:17.20 ID:pxRZ0fs2O

ピトッ


提督「……」

伊58「えへへ///」

提督「……」ナデナデ

伊58「うみゅう///」

提督「いや、ホント悪いね。変化球に頼りっきりの男で」ポリポリ

伊58「んーん、今のはなかなかのストレートだったよ! ゴーヤ、見事に空振り三振でアウトになっちゃった!」ニコニコ

60: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/29(水) 23:25:54.87 ID:pxRZ0fs2O

提督「……誰かと一緒なら、家路を急ぐのも悪くないかな」ボソ

伊58「!!! てーとく! てーとく、今楽しい!?」

提督「うん楽しい」

伊58「お仕事してる時よりっ?」

提督「どっこいどっこい」

伊58「そこまだ互角なの!?」ガーン

提督「冗談冗談」ニコニコ

伊58「……何割?」

提督「5割」

伊58「どっこいどっこいじゃねーか!!! でち!!」

提督「ははははは」

61: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/29(水) 23:27:15.42 ID:pxRZ0fs2O

提督「さ、もうすぐ俺ん家に……あれ」

伊58「あ、工事中だー」

提督「参ったな、道変えないと。じゃあこっちに」スタスタ

伊58「こっちも工事だね」

提督「えっと、じゃああっちに」スタスタ

伊58「……」

提督 「……大規模な地盤沈下でもあったのかな」

伊58「いや、いやいやいや。ちょっと待って。いくらなんでも、工事多すぎない?」

提督「今朝はこんなんじゃなかったと思うんだけどなー」スタスタ

62: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/29(水) 23:28:30.76 ID:pxRZ0fs2O

提督「で」

伊58「……」

提督「工事中の看板に道を遮られること幾十度」

提督「時には右に曲がって遮られ、時には左に曲がって遮られ」

伊58「引き返そうとした道がいつの間にか塞がってたこともあったね」

提督「スタンド攻撃かな?」

伊58「いやゴルゴムの仕業かもしれないでち」

提督「そんな遥かなる旅路さらば友よの果てに、俺たちが辿り着いた場所というのが――」

63: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/29(水) 23:30:36.91 ID:pxRZ0fs2O





【 ホ テ ル ヤ ○ ト 】





提督「……」

伊58「……」

65: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/29(水) 23:32:58.51 ID:pxRZ0fs2O

提督「あ。実在する人物団体艦娘とは一切関係ありません。念のため」

伊58「なんでちなんなんでちこの状況おかしいでちこんなのありえないでちなんの陰謀なんでちかこれは」ブツブツ

提督「……とりあえず、なんとかして退路を確保しないと……」

???「gdgd言ってないでさっさとチェックインするのね」ゲシッ

提督「うわっ」

伊58「みゅっ!?」


ウィーン

67: ◆F.lQmLP.5M 2014/10/29(水) 23:37:51.75 ID:WiX/2itRO

受付「はーい二名様ごあんなーい!!」

提督「ちょ」

伊58「っていうか今蹴られた! 蹴り飛ばされた! すっごーく聞き覚えのある声と同時にお尻蹴っ飛ばされたああああああああ!!!!!」

受付「ただいま特別キャンペーン中につき一組様に限りお代をいただいておりません! ささ、どーぞ朝まで夜戦をお楽しみください!」

伊58「そうだね夜は潜水艦の時間だからね、ってやかましいでち!!」

提督「……これはひどい」

伊58「イクううううううううううう月夜ばかりと思うなよでちいいいいいいいいいい!!!!!!!」

86: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/01(土) 22:57:44.89 ID:m+4ZkMpfO

スタッフ「ごゆっくりどうぞー!」バタン

提督「……」

伊58「……」

提督「……」

伊58「……」

提督「……」

伊58「……」

提督「そうだ仕事を思い出したから鎮守府に帰ろう」

伊58「待てやコラでち」ガシッ

87: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/01(土) 22:59:06.37 ID:m+4ZkMpfO

提督「いやだって、このままここで一晩を過ごすわけにもいかないじゃん?」

伊58「そ、それは確かにそうなんだけど……でもお仕事はダメなの! たとえ言い訳でもダメなのー!」

提督「……どこかで19も見てるだろうし」ボソ

伊58「それに関しては完全に同意でち」ボソ

??『ちっ』

提督「聞こえてる聞こえてる」

伊58「マジで帰ったら覚えてろでち」

88: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/01(土) 23:00:22.93 ID:m+4ZkMpfO

伊58「と、とにかく! 『そういう』ホテルに来たからって、そ、そそそ、『そういう』ことをしなきゃいけないとは決まってないでしょ?」

提督「ん、そうだね。58の言う通りだ」

伊58「ふ、普通に、普通にしてれば、いいんだよっ?」

提督「うん、うん。よく考えれば夜中に二人っきりなんて、執務室で散々味わったシチュエーションじゃないか。いつも通りにしてればいいんだ」

伊58「そうそう。いつも私たち、夜中に執務室で二人っきり……」

提督「……」

伊58「っ!///」ボン

提督「いや、そこで赤くなられるとリアクションに困るんだけど」ポリポリ

伊58「ほ、ほっといてぇ……!///」カァァァ

89: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/01(土) 23:01:30.38 ID:m+4ZkMpfO

ガチャッ


提督「ふう。俺もシャワーいただきました、っと」サッパリ

伊58「……」

提督「じゃ、俺は床で寝るから……」

伊58「」ギロ

提督「……ベッドは広いし、あっちの端とこっちの端で背中向け合って、でどうかな?」

伊58「……しょ、しょうがないね。こういう状況だからね」モジモジ

提督「うん、しょうがないしょうがない。それじゃあおやすみー」パチン

90: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/01(土) 23:05:48.06 ID:m+4ZkMpfO

提督「……」

伊58「……」

提督「……」

伊58「……」

提督「……」

伊58「……」チラッ


【ホテル備えつけのコン[ピーーー]、及び[ピーーー]な[ピーーー]の数々】


伊58(こんなところで寝れるかーーーー!!!! でちーー!!!)ジタバタ

91: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/01(土) 23:06:42.18 ID:m+4ZkMpfO

伊58(うう、ううう。なんで、なんでこんなことになってるの?)

伊58(そ、そりゃあてーとくのことは、ゴーヤその、アレだけどさっ///)

伊58(だからっていきなりこんな……まだゴーヤには早すぎるよぅ///)モジモジ

伊58「……」

伊58(でも。もしも今、てーと、てーとくが、『そういう』気分になっちゃって)

伊58(ご、ゴーヤと、え、えええ、えっちぃことしたいって言ってきたら……!)

伊58「……」

伊58(てーとくぅ……ゴーヤは……ゴーヤは……)モンモン

92: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/01(土) 23:07:53.28 ID:m+4ZkMpfO

提督「58」

伊58「わっひゃいひいふええええええええええええええええええええ!!!!!!???」


ゴロゴロドッターン!!


提督「……」

伊58「ななななな、なぁに、てーとくっ!?///」ワタワタ

提督「まだ起きてるかって聞こうとしたんだけど。その必要もなかったかな」

伊58「あう///」カァァァ

93: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/01(土) 23:08:42.65 ID:m+4ZkMpfO

提督「これからさ、ひとりごと言うからさ」

伊58「え?」

提督「まあ黙って聞いててくれよ。後ろ向いたままでいいからさ」

伊58「は、はあ」

提督「ちなみに童貞の頭で必死に考えた理想の展開としては、俺の呼びかけに君が寝たふり続けて、そのまま俺の独白っていうありがちなパターンだったんだけどな」

伊58「……童貞なんだ///」ポッ

提督「そこに食いつくんだ」

94: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/01(土) 23:09:34.14 ID:m+4ZkMpfO

提督「なんかさ。このままじゃダメだと思うんだよ」

伊58「……」

提督「君の方から先に言わせて。迂遠な言い回しで、はっきりさせずに逃げ回って」

伊58「……」

提督「男として、これじゃあダメだ、ってそう思ったわけだよ」

伊58「……」

提督「58。今はこういう状況だけど……いや」

提督「こういう状況だからこそ、はっきりさせておく」

95: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/01(土) 23:10:29.20 ID:m+4ZkMpfO



「君が好きだ」




96: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/01(土) 23:11:44.53 ID:m+4ZkMpfO

伊58「……」

提督「やっと気付いたんだ。君の望みはとっくに叶ってたんだって」

提督「夜中の3時まで机に向かって、終わらない書類の山と格闘するのが楽しかった」

提督「ああ、うん。確かにこれ、普通に考えると頭おかしい奴だよ」

提督「でも俺にとっては、なにもおかしいことじゃなかった」

提督「――君が隣にいてくれたから、楽しかった。全然苦になんてならなかった」

提督「要するに、ただそれだけのことだったんだ」

伊58「……」

97: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/01(土) 23:12:37.66 ID:m+4ZkMpfO

提督「だから、58」

伊58「てーとく」

提督「……なんだ起きてたのか。全然気付かなかったなー」アハハ

伊58「ゴーヤもね、遠回ししてたの」

提督「……」

伊58「ごめんねてーとく。ゴーヤね、ウソついてたの。全然ストレートなんて投げてなかったの」

伊58「あれこれ理由なんて付けなくても、ゴーヤがてーとくの彼女になりたかった理由なんて、一個しかないんだもん。一個あれば十分なんだもん」

98: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/01(土) 23:13:12.14 ID:m+4ZkMpfO



「あなたが、好きです」




99: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/01(土) 23:14:02.96 ID:m+4ZkMpfO

提督「……」

伊58「提督。提督は、ゴーヤたちに無理してほしくないから、お仕事いっぱいやっちゃうんだよね?」

提督「建前としてはね。本音は他にやることないからで……」

伊58「本当に建前なのかなぁ?」

提督「……」

伊58「ま、どっちでもいいでち。結果としてゴーヤたちの苦労を肩代わりしちゃってるのは本当だもんね」

提督「……」

100: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/01(土) 23:14:48.96 ID:m+4ZkMpfO

伊58「でもね、てーとく?」

提督「なんだい」

伊58「ゴーヤだっててーとくのためなら、いくらだって苦労してもいいんだからね?」

提督「……」

伊58「そのためなら、オリョールだってカレーだって喜んで行くもん」

提督「……」

伊58「アイテムいっぱい拾ってヘトヘトになっても、怖いのいっぱい見つけちゃっても」

伊58「大好きなあなたのためなら、なんにも怖くなんかないんだからね?」

101: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/01(土) 23:15:49.91 ID:m+4ZkMpfO

提督「……58。こっちおいで」

伊58「うえっ!?///」ビク

提督「なんもしないから。ただ抱き枕が欲しくなっただけだから」

伊58「そ、それは『なんもしない』うちに入るのかなぁ……?」オズオズ

提督「とか言いながら来ちゃうんだよなー。ほら」ポフッ

伊58「わぷっ」

提督「……」ナデナデ

伊58「……うみゅう///」トローン

103: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/01(土) 23:17:51.70 ID:m+4ZkMpfO

提督「参りました。なんかもう、いろいろと参っちゃいました」

伊58「参らせちゃいましたー」

提督「58。これからも一緒に、たくさん仕事しような」

伊58「……フタヒトマルマルまでだからねっ」

提督「で、終わったら一緒に買い物行こう」

伊58「うん」

提督「服と、水着も選んで、血と鉄の臭いなんてしない海に、一緒に遊びに行こう」

伊58「……うん。南の方の海はね、お魚いっぱいで見ごたえあるんだよ?」ギュッ

104: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/01(土) 23:18:44.17 ID:m+4ZkMpfO

提督「一緒に家に帰ろう」

伊58「うん」

提督「一緒にご飯食べよう」

伊58「うん」

提督「一緒におやすみを言おう」

伊58「うん」

提督「一緒におはようしよう」

伊58「うん」

105: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/01(土) 23:19:54.04 ID:m+4ZkMpfO

提督「起きたら一緒に鎮守府行って」

伊58「うん」

提督「みんなで、一緒に、戦おう」

伊58「……」

提督「誰か一人が無理するんじゃなくて、二人で一緒に戦おう」

伊58「うん」

提督「……ずっと一緒に、いよう」ギュッ

伊58「……うん」ギュッ

106: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/01(土) 23:20:33.03 ID:m+4ZkMpfO

【翌日】


バァン!!(ドア大破)


伊19「という具合に昨夜はお楽しみだったお二人さん、失礼しますなのねー!」

提督「じゃ、これ向こうの鎮守府によろしく」

伊58「うへえ、まだあるのぉ?」ゲッソリ

伊19「失礼しますなのねーーー!!!」ニコニコ

提督「おや19か、どうしたんだ?」

107: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/01(土) 23:21:58.26 ID:m+4ZkMpfO

伊19「お祝いを申し上げに来ましたのね!」ニッコニッコ

提督「お祝い? なにかあったかな?」

伊58「……」

伊19「またまたそんなとぼけないでほしいのね!」

提督「とぼけてなんかないんだけどなー」

伊19「っふふーん。だったらイクのお口から出してあげるのね……!」スゥゥゥ

伊58「……」

伊19「ごケッコン、おめでとうございますなのねーーーー!!!!」

108: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/01(土) 23:23:08.63 ID:m+4ZkMpfO

提督「……」

伊58「……」

伊19「……」ニヤニヤ

提督「……ケッコンなんてしてないけど」

伊19「えっ」

提督「してないけど」

伊19「ま、またまたぁ、ご冗談きついのねー。だって昨日はあれだけイチャイチャ」

109: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/01(土) 23:24:25.95 ID:m+4ZkMpfO

伊58「イク」

伊19「うぇいっ?」

伊58「冷静になって考えてみてほしいでち」

伊19「な、なにを?」

伊58「極力出撃しない鎮守府。資源を全然使わない鎮守府。オレンジランプゼロ点灯の鎮守府」

伊58「……そんな鎮守府に、レベル99の艦娘なんて所属してると思う?」←レベル77

伊19「……あっ」

110: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/01(土) 23:25:30.38 ID:m+4ZkMpfO

提督「ま、そういうことだから。要するに『大きくなったらお嫁さん』パターンってワケ」アハハ

伊19「う、うう。赤っ恥かいたのね///」

伊58「……でもゴーヤ、正直のんびりしてたくないんだ」

伊58「さっさとレベル上げたいの。『大きくなるまで待てません』パターンでち」

提督「で、ゴーヤのたっての希望で鎮守府から一つルールが消えました」

伊19「え?」

提督「その消えたルールってのが……『オレンジランプゼロ点灯』」

伊19「え? え?」タラリ

111: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/01(土) 23:29:49.77 ID:m+4ZkMpfO

伊58「イク。ほんっとーに、ちょうどいいところに来てくれたでち」ニッコリ

伊19「えっ、いや、ちょ」

伊58「これから毎日オリョール行くでち。潜水艦クルーズのメッカオリョクルでち。毎日が楽しいでちよぉ?」

伊19「そ、そうなのね? それは大変がんばっt」

伊58「でもね、ゴーヤ練度低め(77)だからね、一人で回る自信ないの」グスッ

伊19「あっ……」

伊58「そこで誰か一人、随伴艦としてついてきてほしかったんだー!」ニコッ

伊19「!? ままま待って! 5-3! 5-3があるのね! サーモンなら大破撤退して単艦でいけるはz」

提督「すいませんそれ来月からなんですよ」

伊58「亀の歩み鎮守府だからね、開放まだでもしょうがないね」

伊19「」

112: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/01(土) 23:31:31.56 ID:m+4ZkMpfO

伊58「あ、魚雷は外しといてね。MVP取りたいから。キラキラも維持できて一石二鳥でち!」ニコニコ

伊19「」

伊58「ゴーヤが怪我しない限りはノンストップでいくからね! イクのランプ? まあがんばって!」ニコニコ

伊19「」

伊58「え? イクが怪我したらどうするのかって? だいじょーぶ! こんな時のために山ほど腐らせてたダメコンがあるんでち!」ニコニコ

伊19「」

伊58「えーっと、んーっと。もう他に言っとくことないかなぁ。ないなー。それじゃあイクちゃん」ニコニコ

113: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/01(土) 23:32:05.72 ID:m+4ZkMpfO



「――オリョクル、行こうか」




114: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/01(土) 23:34:28.83 ID:m+4ZkMpfO

伊19「ひっ……! お、お助けなのね提督ぅぅ!!」

提督「いってらっしゃーい。夕方までには帰ってくるよーにー」

伊19「提督ぅぅぅぅぅ!?!?」ズルズル

伊58「えへへ、待っててねてーとく! てーとくに相応しい女の子に、あっという間になってみせちゃうから!」ニコッ

提督「ははは。楽しみに待ってるよ、未来のお嫁さん」ニコ

伊58「んふ、んーふふっ。いってきまーす、未来の旦那様ー!」

伊19「のねええええええぇぇぇぇぇぇぇ……(ドップラー音)」

115: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/01(土) 23:36:04.44 ID:m+4ZkMpfO

提督「……58ー! 俺も仕事がんばるからー!」

提督「今日できること今日やって! 明日できること今日やって!」

提督「そしたら明日、今度こそ一緒に、買い物行こうなー!!」

伊58「……ゴーヤ、がんばるでちー! 二人で一緒にがんばるでちー!」

伊58「その次の明日は海行って、次の次の明日はご飯食べて、次の次の次は……とにかくいっぱい遊ぼーねー!!」

伊19「……」ズルズル

伊58「んっ、えへ、えへへへへー///」モジモジ

伊19「はぁぁぁぁぁ。イクの頭を挟んですっかりバカップルなお二人さんに、改めてこの言葉を贈ってやるのね」ズルズル

伊19「こうなったらヤケクソなのね! イクの断末魔の叫び、鎮守府中に轟かしてやるからよく聞いとくのね!」ズルズル

116: ◆F.lQmLP.5M 2014/11/01(土) 23:37:32.44 ID:m+4ZkMpfO




「事実上のごケッコーーーーーン!!! おめでとうございますなのねええええええええ!!!!!!!!」




艦!

118: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/11/01(土) 23:40:56.42 ID:usE5TTI8O
おつ

124: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/11/02(日) 10:15:40.89 ID:ItmHG9cdO
実にシンプルだけど
只々よかった